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「紫大納言」は、坂口安吾の短編作品。好色な中年貴族である紫大納言が、天女と出会い、翻弄される姿を描いた物語

作品データ

作品名 紫大納言
作品名読み むらさきだいなごん
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42764_33439.html
作者名 坂口 安吾
発表年 不明
ジャンル 時代物
読了時間目安 33分
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あらすじ

紫の大納言は好色な中年男で、毎晩のように女のもとへ通っていた。ある夜、深草から醍醐へ向かう途中で雷雨に見舞われ、雷光の中で光る小笛を拾う。すると、天女が現れ、笛を返すよう求めた。大納言は天女を家に連れ込み、五日間だけ滞在してほしいと懇願する。 その頃、都では袴垂の保輔率いる盗賊団が横行しており、人々は夜道を恐れていた。しかし、大納言は天女のことしか頭になく、夜道を歩き回っていた。ある夜、盗賊に襲われ、小笛を奪われてしまう。大納言は天女に盗まれたと嘘をつくが、見抜かれ、激しく責められる。絶望した大納言は、小笛を取り戻そうと盗賊のアジトへ向かうが、袋叩きに遭う。 満身創痍で川辺にたどり着いた大納言は、水面に映る自分の変わり果てた姿を見て絶望し、川に身を投げて死んでしまった。

作品の特徴

主要登場人物人数 4
男女比 男3女1
表現的特徴・キーワード
時代 平安
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

★紫大納言: 権勢を誇る中年貴族。好色。 ★天女: 月の世界の使者。 ★袴垂の保輔: 当時都で悪名を轟かせていた盗賊の首領。 ★童子: 大納言が川辺で出会う謎の存在。

出典:青空文庫