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「麓」は、1933(昭和8)年「桜」に発表された坂口安吾の長編作品。若い左翼教師に対する疑いと、老村長と校長それぞれの対応を描いた物語。

作品データ

作品名
作品名読み ふもと
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45810_39312.html
作者名 坂口 安吾
発表年 1933(昭和8)年
ジャンル 社会・戦争
読了時間目安 59分
おすすめ

あらすじ

鮫島校長は、左翼思想の疑いがある教師・椿を、明確な証拠がないまま村から追い出そうと画策する。一方、老村長の氷川馬耳は、椿に直接会って話を聞くことにした。 馬耳は、椿の左傾思想よりも、彼の若々しい生命力に興味を持つが、鮫島は、自分の欲望のために椿を陥れようとした。 馬耳は、椿との会話の中で、人間社会の欺瞞や、動物的な生命力への憧れを語る。椿を転任させるのではなく、彼を受け入れるように鮫島を説得する。 しかし、鮫島は、自分の保身のために、椿を追い出すことを諦めず、椿を陥れるために様々な策略を巡らせます。 物語は、馬耳が椿との交流を通して、人間の動物的な側面や、生命力への憧れを再認識する一方で、鮫島が保身のために教育者の倫理を踏み外していく様子を描いている。

作品の特徴

主要登場人物人数 8
男女比 男6女2
表現的特徴・キーワード
時代 昭和以降
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

★鮫島校長: 物語の語り手。黒谷小学校の校長。 ★氷川馬耳: 黒谷村の村長。老齢で、死期が近いことを自覚している。 ★椿了助: 黒谷小学校の教師(訓導)。左翼思想の持ち主と疑われている。 ★佐野梶子: 黒谷小学校の女教師。 ★石毛唯人: 黒谷村の有力者。 ★龍夫: 馬耳村長の弟。前文部参与官。 ★秋子: 龍夫の妻。馬耳村長の義妹。 ★海洋: 魚鱗寺の住職。

出典:青空文庫