「投手殺人事件」は、1950(昭和25)年「講談倶楽部」に発表された坂口安吾の長編作品。女優の恋人を持つ新人投手・大鹿が殺害された!
作品データ
作品名 | 投手殺人事件 |
作品名読み | ぴっちゃーさつじんじけん |
url(青空文庫) | https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43190_22525.html |
作者名 | 坂口 安吾 |
発表年 | 1950(昭和25)年 |
ジャンル | ミステリー |
読了時間目安 | 1時間13分 |
おすすめ |
あらすじ
朝日撮影所の宣伝部長・細巻は、失踪していた女優・暁葉子が突然現れ、300万円の前借を申し出てきたことに驚く。葉子は、恋人であるチェスター軍の大鹿投手と結婚するため、興行師の夫・岩矢天狗に手切れ金を払う必要があったのだ。
大鹿は、葉子のために自ら300万円で身売りすることを決意し、フリーの女スカウト・上野光子に依頼する。しかし、ラッキーストライクのスカウト・煙山は、大鹿の価値を見抜き、球団社長に掛け合い、大鹿と葉子に必要な300万円を用意する。
煙山は京都にいる大鹿と交渉するため、新聞記者2人に尾行されながらも、巧妙な変装と策略で彼らを欺き、大鹿と契約を結ぶ。しかし、その夜、大鹿はアトリエで殺害され、300万円も奪われてしまう。
警察の捜査が始まり、葉子、光子、一服投手、岩矢天狗らが疑われる中、名探偵・居古井警部は、新聞記者2人の尾行記と現場に残された証拠から、煙山こそが犯人であると確信する。
煙山は、尾行を利用してアリバイ工作をし、アジトで着替え、凶器を隠し、300万円を奪ったのだ。居古井警部は、煙山のアジトを突き止め、血まみれの衣類と300万円、そして凶器を発見する。
こうして、煙山は逮捕され、事件は解決する。
作品の特徴
主要登場人物人数 | 10 |
男女比 | 男8女2 |
表現的特徴・キーワード | |
時代 | 昭和以降 |
舞台の国/地名/土地柄など |
登場人物
★大鹿(おおしか): チェスター軍のスター投手。暁葉子の恋人。身売り話に巻き込まれ殺害される。 ★暁葉子(あかつき ようこ): 朝日撮影所の女優。大鹿の恋人。岩矢天狗の妻。 ★煙山(けむやま): ラッキーストライク軍のスカウト。大鹿獲得に奔走する。 ★上野光子(うえの みつこ): フリーの女スカウト。大鹿の身売り話を持ちかけられる。 ★岩矢天狗(いわや てんぐ): 葉子の夫。横浜の興行師。葉子に手切れ金を要求する。 ★一服(いっぷく): ピース軍の投手。上野光子に思いを寄せる。 ★細巻(ほそまき): 朝日撮影所の宣伝部長。暁葉子のことを気にかけている。 ★居古井警部(いこい けいぶ): 京都府警の名探偵。事件の真相を解明する。 ★金口副部長(きんくち ふくぶちょう): 専売新聞の副部長。 ★羅宇木介(らお もくすけ): 専売新聞の記者。暁葉子をマークする。
出典:青空文庫