「能面の秘密」は、1955(昭和30)年「小説新潮」に発表された坂口安吾の中編作品。めくらのオツネの証言が事件の真相解明の鍵となる。
作品データ
作品名 | 能面の秘密 |
作品名読み | のうめんのひみつ |
url(青空文庫) | https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45743_24340.html |
作者名 | 坂口 安吾 |
発表年 | 1955(昭和30)年 |
ジャンル | 推理・ミステリー |
読了時間目安 | 44分 |
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あらすじ
熱海の豪邸を持つ乃田家の別館で、大川という男が焼死体で発見された。当初は自殺と思われたが、アンマのオツネの証言や現場の状況から他殺の疑いが強まる。容疑者は、大川に金を貸していた今井、乃田家の息子・浩之介、そして乃田家の奥様へと向けられる。しかし、各々のアリバイは曖昧で、決定的な証拠は見つからない。新聞記者の辻は、事件の真相を追う中で、旅館の主人・伊勢崎九太夫の助言を得て、真犯人が庭番の爺さんであることを突き止める。爺さんは、辻の記事から事件の真相に気づき、奥様を脅迫して二百万円を手に入れていたのだ。奥様はその後、残りの財産を失い、自殺してしまう。
作品の特徴
主要登場人物人数 | 8 |
男女比 | 男7女1 |
表現的特徴・キーワード | |
時代 | 昭和以降 |
舞台の国/地名/土地柄など |
登場人物
★オツネ: メクラの按摩。物語の語り部であり、事件の鍵を握る証言をする。 ★大川: 別館で焼死体で発見される男。生前は乃田家の秘書。 ★乃田家の奥様: 莫大な財産を浪費し、株で大損している。何者かに脅迫されている。 ★浩之介: 乃田家の息子。高利貸しを営むも失敗し、落ちぶれている。 ★庭番の爺や: 乃田家に長年仕える庭番。事件の真犯人。 ★今井: 大川の同僚で、生前は乃田家の秘書。大川に金を貸していた。 ★辻: 新聞記者。事件の真相を追う。 ★伊勢崎九太夫: 元奇術師で旅館の主人。鋭い探偵眼を持つ。
出典:青空文庫