「握った手」は、1954(昭和29)年「別冊小説新潮」に発表された坂口安吾の短編作品。恋愛における心の揺れ動きや葛藤を繊細に描き出す
作品データ
作品名 | 握った手 |
作品名読み | にぎったて |
url(青空文庫) | https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42966_34777.html |
作者名 | 坂口 安吾 |
発表年 | |
ジャンル | 恋愛 |
読了時間目安 | 28分 |
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あらすじ
松夫は、映画館で衝動的に綾子の手を握り、彼女もそれを握り返したことから交際が始まる。しかし、松夫は綾子の過去の恋愛経験を疑い、彼女の握り返した手にこだわり苦しむようになる。
ある日、大学で水木由子という女性に惹かれた松夫は、彼女の手を握る。しかし、水木由子は強く抵抗し、松夫は自分の手を「ケダモノの手」だと感じ、深く傷つく。
綾子への愛情を確認しようと試みるも、彼女の言葉に不安を募らせるばかりの松夫。試験期間中に水木由子と再会し、自分の行為を謝罪する。水木由子は彼を許し、強く生きるよう励ます。
松夫は水木由子への手紙を出すが返事はなく、綾子との関係も進展しない。彼は、自分の臆病さゆえに、二度と誰とも恋ができないのではないかと絶望する。
作品の特徴
主要登場人物人数 | 3 |
男女比 | 男1女2 |
表現的特徴・キーワード | |
時代 | 昭和以降 |
舞台の国/地名/土地柄など |
登場人物
松夫:主人公。大学卒業を控えた内気な青年。綾子との関係に悩み、水木由子に惹かれる。 綾子:松夫の恋人。映画館で松夫に手を握り返したことがきっかけで交際が始まる。 水木由子:心理学を専攻する女子学生。ロイド眼鏡をかけ、冷静で知的な雰囲気を持つ。
出典:青空文庫