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「中庸」は、1953(昭和28)年「群像」に発表された坂口安吾の中編作品。戦後の混乱期における村社会の閉鎖性や偏狭さ、人々の利己主義、元海軍大佐の「中庸」であろうとする姿勢が招く悲劇

作品データ

作品名 中庸
作品名読み ちゅうよう
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42949_38172.html
作者名 坂口 安吾
発表年
ジャンル 人間/政治・社会・戦争/その他
読了時間目安 40分
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あらすじ

海軍大佐である「余」は、終戦後、故郷の村長を引き受ける。小学校再建の資金難の中、村の有力者・羽生助役と対立しながらも村政に携わる。堕胎経験のある女教師・マリ子への風当たりが強い村で、マリ子一家が学校に転居したことをきっかけに、村会と学校側との対立が激化する。余は中立を保とうとするが、次第に村人たちから無能呼ばわりされ、孤立していく。やがて精神的に追い詰められた余は、羽生を放火犯呼ばわりして暴力を振るい、村人たちから嘲笑の対象となる。

作品の特徴

主要登場人物人数 3
男女比 男2女1
表現的特徴・キーワード
時代 昭和以降
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

余:語り手であり主人公。元海軍大佐で、終戦後に村長となる。中庸を尊ぶ性格。 羽生助役:村の助役。村政に熱心だが、独善的で感情的な面もある。 小野マリ子:小学校の先生。奔放な性格で村人たちから疎まれている。父親は戦死した陸軍大佐。

出典:青空文庫