「醍醐の里」は、1931(昭和6)年「文科」に発表された坂口安吾の長編作品。戦争末期の不安定な社会状況の中、登場人物が織りなす人間模様
作品データ
作品名 | 竹藪の家 |
作品名読み | たくやぶのいえ |
url(青空文庫) | https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45799_70008.html |
作者名 | 坂口 安吾 |
発表年 | |
ジャンル | 人間/政治・社会・戦争 |
読了時間目安 | 3時間 |
おすすめ |
あらすじ
野越家の夫婦喧嘩は、居候の樅原駄夫(モミハラダフ)にとって毎朝の騒音だった。ある日、与里は駄夫に青色から何を連想するか尋ねる。与里は神経や血管を、駄夫はアブサンを連想する。駄夫は仕事を探しに出かけるふりをし、与里は映画館での仕事に向かう。駄夫は道端で泥鰌を見つけ、可笑しさに笑い転げる。彼は寺で乞食になろうとするが、少年たちの嘲笑に阻まれる。寺では、古い友人を墓の下に埋葬し、自身の墓も見つける。彼は即興詩を詠み、満足して墓地を去る。翌日、嵐の中、与里は高熱で倒れる。与里の兄・玄也とその妻・紅子が現れ、居候となる。玄也は伯父に金を無心しに行くが、失敗して帰る。数日後、駄夫は横浜の友人の元へ向かうため、野越家を出る。与里と別れの挨拶を交わし、二人は再会を願うが、どこか諦めにも似た感情を抱いている。駄夫は去り際、振り返ると、与里が帽子を振って見送る姿があった。
作品の特徴
主要登場人物人数 | 7 |
男女比 | 男4女3 |
表現的特徴・キーワード | |
時代 | 昭和以降 |
舞台の国/地名/土地柄など |
登場人物
樅原駄夫(モミハラ・ダフ):物語の語り手であり、野越家の居候。自堕落で怠惰な性格だが、独特のユーモアと観察眼を持つ。 野越与里(ノゴシ・ヨリ):竹藪の家の主人。神経質で病弱な映写技師。家族との関係に苦悩し、将来に絶望している。 野越総江(ノゴシ・フサエ):与里の妻。ヒステリックで口が悪いが、家族への愛情も持ち合わせている。 野越多次郎(ノゴシ・タジロウ):与里と総江の息子。幼く、両親の喧嘩に巻き込まれることが多い。 野越の母:与里の母。老いて病弱だが、かつては裕福な暮らしをしていた。 野越玄也(ノゴシ・ゲンヤ):与里の兄。放蕩息子で、家族に迷惑をかけてばかりいる。 紅子(ベニコ):玄也の妻。元女給かダンサーと思われ、田舎臭さと派手さを併せ持つ。
出典:青空文庫