続戦争と一人の女

「続戦争と一人の女」は、1946（昭和21）年「サロン」に発表された坂口安吾の短編作品。戦争という極限状況の中で、愛、友情、そして生きることの意味

物語は、第二次世界大戦下の日本で、主人公「私」と恋人の野村、そして周囲の人々との関係を描く。空襲が日常となり、死が身近なものとなった中で、彼らは愛を育み、絶望と向き合う。 主人公「私」は、かつては多くの男と関係を持つ奔放な女性だったが、野村との出会いをきっかけに、一人の男を愛することの大切さを学ぶ。しかし、戦争という過酷な状況下で、二人の愛は試される。 一方、周囲の人々は、戦争の恐怖に翻弄され、人間性が歪んでいく。特に、カマキリという人物は、戦争を楽しみ、他人の不幸を願うような歪んだ心理を露わにする。 物語は、空襲、避難、そして終戦へと進んでいき、主人公たちは愛、友情、そして絶望といった様々な感情を経験する。最終的には、戦争の無意味さ、そして人間の脆さを悟りつつ、それでも未来に向かって生きていくことを決意する。

出典：青空文庫