梟雄

「梟雄」は、1953（昭和28）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の中編作品。織田信長と斎藤道三の対決を、特に道三の視点から深く掘り下げた作品。

主人公は、幼い頃から並外れた才能を発揮し、仏門に入り、若くして優れた僧侶として名を馳せる。しかし、権力闘争に巻き込まれ、世俗の欲望に目覚めていく。 仏門を捨て、油売りとして各地を転々とする中で、彼は独自の兵法を考案する。それは、当時の常識を覆す革新的なものであり、後の織田信長に大きな影響を与えた。 その後、武力の世界へと足を踏み入れ、数々の策略を駆使して地位を築き上げるが、その過程で彼は冷酷な一面を見せ、多くの犠牲を生み出してしまう。 晩年、息子との対立や家臣の反乱など、数々の困難に直面する中で、主人公は自らの生き方を問い直し、孤独と苦悩に苛まれていきます。

出典：青空文庫