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「閑山」は、1938(昭和13)年「文体」に発表された坂口安吾の短編作品。放屁癖のある、狸が化けた僧侶が巻き起こす騒動。

作品データ

作品名 閑山
作品名読み かんざん
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/57479_66977.html
作者名 坂口 安吾
発表年
ジャンル コメディ/SF・幻想
読了時間目安 19分
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あらすじ

越後の閑山寺に住む六袋和尚は、ある晩、狸の団九郎と出会う。団九郎は和尚の徳に感銘を受け、寺に住み着き、仏道修行に励むようになる。和尚が入寂した後も、団九郎は寺に残って修行を続ける。 新しい住職である弁兆は、酒好きで怠惰な性格だった。団九郎は弁兆の堕落した姿に怒り、彼を追い出して自ら住職となる。村人たちは彼を呑火和尚と呼んだ。 ある日、呑火和尚は村人の悪戯によって、法話中に放屁をしてしまう。彼は自らの未熟さを恥じ、山奥へと籠る。 その後、呑火和尚の庵に立ち寄った旅人は、不思議な光景を目撃する。庵は広大な伽藍に変わり、無数の子狸たちが歌い、舞い、放屁をしているのだった。旅人は驚き、思わず声を上げてしまう。 翌朝、村人たちは荒れ果てた庵を発見し、取り壊す。仏壇の下からは、大きな獣骨が見つかり、その手には朱の花の字が残っていた。村人たちは狸を哀れみ、花塚を建てて弔ったという。

作品の特徴

主要登場人物人数 2
男女比 男2
表現的特徴・キーワード
時代
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

六袋和尚: 越後の閑山寺に住む高徳な老僧。狸の団九郎に仏道を教える。 団九郎: 和尚に化けた狸。和尚の死後、閑山寺の住職となる。 弁兆: 閑山寺の新しい住職。酒好きで怠惰な性格。 久次: 村のしれ者。呑火和尚に悪戯を仕掛ける。 旅人: 廃寺となった閑山寺に泊まり、不思議な光景を目撃する。 特に物語の中心となるのは、六袋和尚と団九郎の2人

出典:青空文庫