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「神サマを生んだ人々」は、1953(昭和28)年「キング」に発表された坂口安吾の中編作品。ある女性を教祖にでっちあげ新しい宗教を立ち上げてしまう。

作品データ

作品名 神サマを生んだ人々
作品名読み かみさまをうんだひとびと
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42954_31179.html
作者名 坂口 安吾
発表年
ジャンル コメディ/人間
読了時間目安 34分
おすすめ

あらすじ

大巻博士は、旧知の文士を訪ねるため温泉地を訪れるが、宿が満室で途方に暮れる。そこで安福軒という男に誘われ、彼の妻が経営する小さな宿に泊まることになる。この宿の女主人、かつて新橋で名を馳せた美貌の持ち主は、安福軒の強要で客を取らされていた。大巻博士は彼女に同情し、東京へ連れて行こうとするが、高額な請求に遭い断念する。 一年後、安福軒は精神を病んだ元妻を大巻博士の病院に連れてくる。彼女は自らを神と称し、奇妙な言動を繰り返す。安福軒は彼女を利用して新興宗教「阿二羅教」を立ち上げ、教祖として祭り上げていた。大巻博士は、教祖となった彼女の霊力と、教団を運営する安福軒の手腕に驚く。 大巻博士と川野は、安福軒に連れられて阿二羅教の本部を訪れる。そこで彼らは、熱心な信者たちの姿や、教祖の不思議な力を目の当たりにする。安福軒は、宗教を利用して利益を得ていることを隠そうともしない。一方、川野は教祖の力を信じているふりをしているが、実際には懐疑的である。

作品の特徴

主要登場人物人数 5
男女比 男4女1
表現的特徴・キーワード
時代 昭和以降
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

大巻博士: 主人公。内科医。温泉地で宿がなく困っているところ、安福軒に誘われる。 安福軒: かつて大巻博士の隣に住んでいた男。現在は温泉地で万国料理店を経営。 安福軒の元妻: かつて新橋で名を売った美人。安福軒に強要され、客を取っていた。後に阿二羅教の教祖となる。 日野クン: 呉服屋の手代。安福軒の元妻を預かり、阿二羅教の管長となる。 川野水太郎: 文士。阿二羅教の信者。 物語の中心となるのは、大巻博士、安福軒、そして安福軒の元妻の3人

出典:青空文庫