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「女剣士」は、1954(昭和29)年「小説新潮」に発表された坂口安吾の長編作品。実在した剣豪楳本法神(うめもとほうしん)とその高弟須田房吉から続く法神流の末裔を描く。

作品データ

作品名 女剣士
作品名読み おんなけんし
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42968_58924.html
作者名 坂口 安吾
発表年
ジャンル 歴史・時代物/恋愛/官能・耽美
読了時間目安 1時間30分
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あらすじ

石毛存八は、刑務所を出所後、小山内家の下僕となる。小山内家では、娘の歌子と門弟の寺田が剣術の修行に励んでいた。存八も剣術に興味を持ち、修行を始める。 小山内朝之助は、歌子の結婚相手を選ぶため、寺田と存八に試練を与える。存八は予想外の活躍を見せ、歌子の婿候補となる。朝之助は、歌子への愛情と家督継承の責任との間で葛藤する。そして、歌子との間に子をもうけることを決意し、山へ籠る。 朝之助が去った後、存八と歌子の関係は変化し、歌子は存八に激しい稽古をつけるようになる。しかし、存八の成長を見て、歌子は父への恋心を自覚する。 一方、山に籠った朝之助は、歌子への想いを断ち切れず苦悩する。やがて彼は自らの男性器を切り落とし、歌子のもとへ戻る。 歌子は、変わり果てた父の姿に衝撃を受ける。そして、父の死後、彼女は剣術の修行に没頭する。

作品の特徴

主要登場人物人数 3
男女比 男2女1
表現的特徴・キーワード
時代 昭和以降
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

石毛存八: 前科4犯のコソ泥。出所後、小山内家の下僕となり、剣術を学ぶ。 小山内朝之助: 小山内家の当主。法神流の剣術を極めた武芸者。 小山内歌子: 朝之助の一人娘。剣術に秀で、男勝りな性格。 寺田正一郎: 小学校教員であり、朝之助の門弟。歌子に想いを寄せる。 足立: 村の旦那衆。存八に小山内家を紹介する。 常サン: 大友飯場の小頭。存八をコソ泥呼ばわりする。 お作: 存八が想いを寄せる村の娘。 栗栖按吉: 庄吉の後輩の駆け出し作家。 浮田信之: 庄吉の弟子の大学生。庄吉の妻と駆け落ちする。 特に物語の中心となるのは、存八、歌子、そして朝之助の3人

出典:青空文庫