「イノチガケ」は、1940(昭和15)年「文学界」に発表された坂口安吾の長編作品。前後編。前編はキリシタン殉教とその伝説が描かれ、後編は60余年後殉教を追体験しにくる"シローテ"の話となる。
作品データ
作品名 | イノチガケ ――ヨワン・シローテの殉教―― |
作品名読み | いのちがけ |
url(青空文庫) | https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45855_40580.html |
作者名 | 坂口 安吾 |
発表年 | |
ジャンル | 歴史・時代物/SF・幻想/政治・社会・戦争 |
読了時間目安 | 2時間 |
おすすめ |
あらすじ
1547年、追手から逃れるためポルトガル船に乗り込んだ弥次郎は、船長に導かれキリスト教に入信、パウロと名乗る。その後、サビエルらと共に日本へ渡り布教活動を開始するが、キリスト教は次第に弾圧されるようになる。1703年、シドチはキリスト教再興のため日本へ潜入するが捕らえられ、新井白石の厳しい尋問を受ける。シドチは棄教を拒み、牢獄で生涯を終える。彼の死後もキリスト教弾圧は続き、多くの殉教者が出る。シドチの墓は現存しない。
作品の特徴
主要登場人物人数 | 12 |
男女比 | |
表現的特徴・キーワード | |
時代 | 戦国 |
舞台の国/地名/土地柄など |
登場人物
ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッチ(ヨワン・シローテ):イタリア出身のイエズス会宣教師。キリスト教再興のため、日本への潜入を試みる。 新井白石:江戸幕府の儒学者・政治家。シドッチの尋問を担当し、『西洋紀聞』を著す。 弥次郎(パウロ):日本人。追手から逃れるためポルトガル船に乗り込み、キリスト教に入信。後にサビエルと共に日本へ渡る。 フランシスコ・サビエル:イエズス会宣教師。キリスト教の日本布教に尽力した。 織田信長:戦国時代の武将。キリスト教を保護し、布教を許可する。 豊臣秀吉:戦国時代の武将。当初はキリスト教を保護するが、後に禁教令を出す。 徳川家康:江戸幕府初代将軍。貿易のために当初はキリスト教を黙認するが、後に禁教とする。 高山右近(ジュスト右近):キリシタン大名。棄教を拒否し、領地を失う。 増田長盛:豊臣家の五奉行の一人。サン・フェリペ号事件に関わる。 原田孫七郎:秀吉の使節と偽り、マニラでキリスト教布教を促す。 ペトロ・バプチスタ:フランシスコ会宣教師。長崎で殉教する。 マルセロ・フランシスコ・マストリリ:イタリア出身のイエズス会宣教師。日本潜入を試み、長崎で殉教する。
出典:青空文庫