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「雨宮紅庵」は、1936(昭和11)年「早稲田文学」に発表された坂口安吾の中編作品。伊東判作は、ある日友人の雨宮紅庵から妖婦蕗子を譲り受ける。軽い遊びのはずが妄執に取り憑かれはまっていく。

作品データ

作品名 雨宮紅庵
作品名読み あめみやこうあん
url(青空文庫) https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42981_21012.html
作者名 坂口 安吾
発表年
ジャンル 恋愛/官能・耽美
読了時間目安 41分
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あらすじ

伊東伴作は、旧友の雨宮紅庵から、蕗子という女性を預けられ、生活費を援助することになる。紅庵は蕗子に気がないと言い張るが、伴作は彼の真意を疑う。やがて、蕗子は紅庵の知らない場所へ引っ越し、伴作は翻弄される。紅庵は、蕗子の夫が無能者であることを伴作に明かし、蕗子に自由な生き方を勧めていたことを告白する。伴作は、蕗子が紅庵の影響下にあることに気づき、彼女への愛着と同時に不安を感じる。蕗子は自立のために商売を始めたいと言い出し、伴作は紅庵の入れ知恵だと疑うが、蕗子は否定する。しかし、蕗子の考えは紅庵の過去の言葉の影響を受けていることが判明する。伴作は、蕗子が紅庵の傀儡と化しているのではないかと恐れ、彼女への執着を深めていく。

作品の特徴

主要登場人物人数 3
男女比 男2女1
表現的特徴・キーワード
時代 昭和以降
舞台の国/地名/土地柄など

登場人物

伊東伴作: 主人公。親代々の呉服商を継いでいるが、かつては学問で身を立てようとしていた。 雨宮紅庵: 伊東伴作の昔馴染み。定職を持たず、様々な趣味を持つが、どれも中途半端。蕗子を伴作に預ける。 蕗子: 雨宮紅庵の知人の妹。女優志望だが、特徴がなく、白痴的な印象を与える。

出典:青空文庫