ホラー・怪談・怪奇

「夜長姫と耳男」は、1952（昭和27）年「新潮」に発表された坂口安吾の長編作品。飛騨の匠の若者と黄金の香りがすると言われる姫の美しくもグロテスクな物語。

「群衆の人」は、1932（昭和7）年「若草」に発表された坂口安吾の短編作品。斑猫（はんみょう）先生が見たものは、現実なのか幻覚なのか、それとも彼の心の投影なのか。

「死霊」は、小泉八雲の短編作品。越前の国の代官、野本彌治衞門が没した時、下役の者どもが謀り遺族を騙そうとした。すると野本彌治衞門の亡霊が女中に取り憑き事件を解決した。

「常識」は、小泉八雲の短編作品。愛宕山の小さな寺に高僧が毎晩普賢菩薩を見るようになったと、檀家の猟師に話した。だが猟師は高僧だけでなく殺生を生業とする自分にも尊い普賢菩薩が見えるのを訝しむ。

「雉子のはなし」は、小泉八雲の短編作品。怪談というよりは幻想小説に近い。家に迷い込んだ雉を前夜の夢に出てきた亡き舅と思い匿うが、夫は無慈悲にも殺してしまう。

「お貞のはなし」は、小泉八雲の短編作品。結婚を約束した長生とお貞。だが、お貞は肺病を患い亡くなってしまう。後に生まれ変わったお貞と出会い再び結婚する。

「おしどり」は、小泉八雲の短編作品。各地に伝わる伝説や今昔物語集にも原型があるとみられる。雄のおしどりを狩った男に雌のおしどりが責めにくる

「術数」は、小泉八雲の短編作品。死刑の罪人が死んだ後復讐を誓うが、証拠に頸を切られた後に石に噛み付くよう言われ、それを達成したことで満足して死んだ後は何も起こらなかった。

「おかめのはなし」は、小泉八雲の短編作品。流行病にかかって死んだおかめ。夫はおかめが死んだ後も再婚しないことを約束する。

「生霊」は、小泉八雲の短編作品。奉公に来た若者が将来息子を差し置いて店を継ぐのではないかと思い病んだ主人の妻の生霊

「蠅のはなし」は、小泉八雲の短編作品。両親の弔いのために金銭を貯めていた下女の玉であったが、病気で死んでしまった。その後大寒中にもかかわらず大きな蠅が部屋に入ってきた。主人の久兵衛はその蝿を玉だろと感じ、預かっていた金銭をお寺に納めた。

「忠五郎のはなし」は、小泉八雲の短編作品。蟇が化けた美女に生気を奪われ死んだ男の話。

「耳無芳一の話」は、小泉八雲の短編作品。江戸時代後期の怪談奇談読本の『臥遊奇談』を典拠したものとされる。

「葬られたる秘密」は、小泉八雲の短編作品。美人のお園は病気で死んでしまった。その葬式のあった晩から箪笥の前にお園の幽霊が現れた。相談をされた和尚により、お園が貰った昔の艶書が箪笥に隠されていたことがわかったが、和尚は誰にも言わずに手紙を焼き払った。その後お園は現れなくなった

「雪女」は、小泉八雲の短編作品。各地に伝わる民話を小泉八雲が怪談として紹介したものが広まった。

「幽霊滝の伝説」は、小泉八雲の短編作品。2歳になる子供を持つお勝は、村の女たちと、夜に幽霊滝に行って賽銭箱を持ち帰ったら1日の収穫をみんなもらうと約束しが、賽銭箱を持ち帰ると子供の首がもぎ取られていた。

「貉」は、小泉八雲の短編作品。有名なのっぺらぼうの話

「ろくろ首」は、小泉八雲の短編作品。僧侶囘龍（かいりょう）は、諸国行脚の途中でろくろ首の小屋に迷い込んだ。そこが化物の棲家と気づき、夜に頭が出かけている間に身体を隠し退治した。しかし頭が囘龍の袖に噛みつき離れないが、そのまま旅を続けた。

「Kの昇天」は、1926（大正15）年「青空」に発表された梶井基次郎の

「浅茅生」は、1912（大正元）年「地球」に発表された泉鏡花の長編小説

「雨ばけ」は、1923（大正12）年「随筆」に発表された泉鏡花の短編作品。古い怪談を紹介したものであるが、怪談でありながらどことなくユーモラスなお話

「活人形」は、1893（明治26）年「探偵小説」に発表された泉鏡花の長編作品。

「貝の穴に河童の居る事」は、1931（昭和6）年「古東多万」に発表された泉鏡花の中編作品。人間に怪我を負わされたために仕返しをしようとする河童の話。

「開扉一妖帖」は、泉鏡花の長編作品。

「浮舟」は、1916（大正5）年「新小説」に掲載された泉鏡花の中編作品。

「画の裡」は、泉鏡花の短編作品。

「絵本の春」は、1926（大正15）年「文藝春秋」に発表された泉鏡花の短編作品。逢魔時、異界の扉が開かれる。

1912（明治45）年「新文壇」に発表された泉鏡花の短編作品。儚く夢のような幼い頃の記憶

「海異記」は、泉鏡花の長編怪異作品。

「海神別荘」は、1914（大正3）年「中央公論」に発表された泉鏡花の戯曲。歌舞伎の演目としてたびたび再演されている。

「怪談女の輪」は、泉鏡花の短編怪談作品。

「蜘蛛の糸」は、芥川龍之介のはじめての児童文学作品で、1918年に児童向け文芸雑誌「赤い鳥」に発表された。「カルマ（因果応報）」がテーマになっている。

「杜子春」は、1920（大正9）年「赤い鳥」に発表された芥川龍之介の児童向け文学作品。中国の伝奇小説「杜子春」を元に、芥川が創作・童話化したもの

「地獄変」は、説話集『宇治拾遺物語』の「絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事」を基に、芥川が独自に創作したもの