人間

「女体」は、1946（昭和21）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の中編作品。芸術、官能、献身、そして男女の複雑な感情の交錯

「破門」は、1947（昭和22）年「オール読物」に発表された坂口安吾の短編作品。型破りな娘と型破りな小説家の出会いと、その顛末を描いた物語

「私は海をだきしめていたい」は、1947（昭和22）年「文芸」に発表された坂口安吾の短編作品。肉欲と孤独に苦悩する主人公。幸福を疑い不幸を求める中で、自身の魂のあり方を見つめ直す。

「狼園」は、1936（昭和11）年「文学界」に発表された坂口安吾の長編作品。安吾の当時の苦悩が反映され、入り乱れる人間模様となっている。

「老嫗面」は、1936（昭和11）年「文芸通信」に発表された坂口安吾の中編作品。

「吹雪物語」は、1938（昭和13）年竹村書房から発表された坂口安吾の超長編作品。700枚を超える長編で、全編読了した人が滅多にいないと言われている。

「Pierre Philosophale」は、1932（昭和7）年 「文学」に発表された坂口安吾の短編作品。人生に退屈した呂木が、仕事、恋愛、結婚、そして放浪を通して、虚無感と絶望を抱きながら「哲学の石」を探し求める物語。ピエール・フィロゾファールとはフランス語で、哲学の石、賢者の石のこと。

「水鳥亭」は、1950（昭和25）年「別冊文藝春秋」に発表された坂口安吾の長編作品。戦後の混乱期を舞台に、人間の卑屈さ、いやらしさ、プライド、そして物欲といった負の側面を容赦なく描いた作品

「花火」は、1947（昭和22）年「サンデー毎日」に発表された坂口安吾の短編作品。ノブ子の過去の男関係や木村との結婚生活、そしてミン平との歪んだ恋愛模様

「街はふるさと」は、1950（昭和25）年「読売新聞」に連載された坂口安吾の長編作品。

「保久呂天皇」は、1954（昭和29）年「群像」に発表された坂口安吾の短編作品。保久呂（ほくろ）という山奥の小さな部落。狭い部落社会における人間関係の濃密さ、排他的な体質が、”事件”を通して浮き彫りになる。

「アンゴウ」は、1948（昭和23）年「サロン別冊」に発表された坂口安吾の短編作品。安吾・暗号・暗合（偶然に一致すること）が掛かっている。

「青鬼の褌を洗う女」は、1947（昭和22）年「愛と美」に発表された坂口安吾の長編作品。小さい頃から母に、オメカケか金持の長男に嫁げと言われてきた主人公・サチ子。しかしそれに刃向かい、様々な男と付き合い我が道を行く。

「遺恨」は、1948（昭和23）年「娯楽世界」に発表された坂口安吾の短編作品。梅木先生は病床でパンパンを抱きしめてそのまま死んでしまう。

「いずこへ」は、1946（昭和21）年「新小説」に発表された坂口安吾の中編作品。安吾の自伝的作品で青年期後半の恋愛を描く。

「お奈良さま」は、1954（昭和29）年「別冊小説新潮」に発表された坂口安吾の短編作品。生まれつきオナラが多い体質の住職が引き起こす騒動。

「石の思い」は、1946（昭和21）年「光　LACLARTÉ」に発表された坂口安吾の中編作品。安吾の幼少期の自伝的作品。父母への愛の渇望と孤独。

「海の霧」は、1931（昭和6）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の短編作品。ある恋人同士の退廃的な日々を描く

「牛」は、1953（昭和28）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の短編作品。鈍感で取り柄なく「牛」とあだ名される光也は、強姦の濡れ衣を着せられ拝殿に閉じ込められる。

「外套と青空」は、1946（昭和21）年「中央公論」に発表された坂口安吾の中編作品。三文文士落合平太と淫乱症のある親友の妻キミ子との愛欲、また親友庄吉との友情を描く。

「桂馬の幻想」は、1954（昭和29）年「小説新潮」に発表された坂口安吾の中編作品。死の２ヶ月前に発表された奇妙な味の短編。将棋というゲームを通して、人生の意味や人間の存在について深く考えさせてくれる。

「オモチャ箱」は、1947（昭和22）年「光」に発表された坂口安吾の中編作品。三枝庄吉という小説を書く以外にはつぶしがきかない小説家の話。安吾を文壇に押し上げた恩人牧野信一の自死に至る生き様を描いた作品。

「決闘」は、1947（昭和22）年「社会」に発表された坂口安吾の中編作品。特攻隊出撃が決まった若者たちの心理。戦争という極限状況下で生きる若者たちの心の葛藤と成長を描いている。

「ジロリの女」は、1948（昭和23）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の長編作品（後編は「別冊文藝春秋」）。主人公の男性が、ある女性にジロリと見られることから始まる物語。

「三十歳」は、1948（昭和23）年「文学界」に発表された坂口安吾の中編作品。安吾のかつての恋人矢田世津子との再会。

「篠笹の陰の顔」は、1940（昭和15）年「若草」に発表された坂口安吾の短編作品。仏語学校で知り合った高木との奇妙な友情。

「死と影」は、1948（昭和23）年「文学界」に発表された坂口安吾の短編作品。矢田世津子と別れた後の孤独

1947（昭和22）年「別冊文藝春秋」ほかに発表された坂口安吾の長編作品。「金銭無情」「失恋難」「夜の王様」「王様失脚」の４編から構成される。戦後の混乱期を背景に、哲学者を自称する主人公・最上清人とその周囲の人々、特に妻の富子との関係を描いた群像劇

「木々の精、谷の精」は、1939（昭和14）年「文芸」に発表された坂口安吾の中編作品。修吉が夏の避暑地となる山村を訪れ、そこで出会った人々や風景、村の娘葛子との親交、村に伝わる不思議な伝説を描いたもの。

「肝臓先生」は、1950（昭和25）年「文学界」に発表された坂口安吾の中編作品。終戦後、伊豆伊東温泉で禁令解除の祭りが幻想と化し、失望するが、漁師町で心温まる体験を得る。

「神サマを生んだ人々」は、1953（昭和28）年「キング」に発表された坂口安吾の中編作品。ある女性を教祖にでっちあげ新しい宗教を立ち上げてしまう。

「蒼茫夢」は、1935（昭和10）年「作品」に発表された坂口安吾の中編作品。自殺未遂を繰り返す当太郎と、彼を取り巻く草吉、忍、弥生の複雑な人間関係

「蝉」は、1932（昭和7）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の中編作品。老いゆく主人公の孤独と絶望を描く

「醍醐の里」は、1931（昭和6）年「文科」に発表された坂口安吾の長編作品。戦争末期の不安定な社会状況の中、登場人物が織りなす人間模様

「波子」は、1941（昭和16）年「現代文学」に発表された坂口安吾の中編作品。波子の結婚問題を中心に、それぞれの思惑や葛藤を抱える

「中庸」は、1953（昭和28）年「群像」に発表された坂口安吾の中編作品。戦後の混乱期における村社会の閉鎖性や偏狭さ、人々の利己主義、元海軍大佐の「中庸」であろうとする姿勢が招く悲劇

「小さな部屋」は、1933（昭和8）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の中編作品。小さな部屋という閉鎖的な空間での複雑な人間関係

「霓博士の廃頽」は、1931（昭和6）年「作品」に発表された坂口安吾の中編作品。博士の神経衰弱と、それに巻き込まれる「僕」を中心に繰り広げられる滑稽でナンセンスな物語

「逃げたい心」は、1935（昭和10）年「文藝春秋」に発表された坂口安吾の中編作品。魚則の失踪をきっかけに長野への旅に出かける

「ある崖上の感情」は、1928（昭和3）年「文芸都市」に発表された梶井基次郎の中編作品。崖の上から他人の窓を覗き見る妄想をする青年たち。しかし人間の営みを俯瞰して見た石田は、人間の無常を感じる。

「路上」は、1925（大正14）年「青空」に発表された梶井基次郎の短編作品。

「檸檬」は、1925（大正14）年「青空　創刊号」に発表された梶井基次郎の短編作品。梶井の代表作。えたいの知れない憂鬱な心情を描く。一個の檸檬に出会い、檸檬爆弾の空想に狂喜する。

「ある心の風景」は、1926（大正15）年「青空」に発表された梶井基次郎の短編作品。喬は、遊女から悪い病気を移され思い悩む。

「闇への書」は、梶井基次郎の短編作品。別に「闇の書」という作品があるが別もの

「冬の日」は、1927（昭和2）年「青空」に発表された梶井基次郎の短編作品。結核療養中の心情を綴った６編。

「冬の蠅」は、1928（昭和3）年「創作月刊」に発表された梶井基次郎の短編作品。病気療養中に蝿の観察をする。

「のんきな患者」は、1932（昭和7）年「中央公論」に発表された梶井基次郎の中編作品。結核のため病床生活を送る主人公。

「橡の花」は、1925（大正14）年「青空」に発表された梶井基次郎の中編作品。陰鬱な天候に影響されて不健康な精神状態を書簡にしたためている。

「泥濘」は、1925（大正14）年「青空」に発表された梶井基次郎の短編作品。主人公の名前は「奎吉（けいきち）」。梶井処女作の続編か。

1928（昭和3）年「文芸都市」に発表された梶井基次郎の掌小説。白昼の広大な自然の景色の中、青空に虚無の闇を見てしまう。

「雪後」は、1926（大正15）年「青空」に発表された梶井基次郎の短編作品。新婚夫婦のつましい生活の中の輝き

「城のある町にて」は、1925（大正14）年「青空」に発表された梶井基次郎の中編作品。

「交尾」は、1931（昭和6）年「作品」に発表された梶井基次郎の短編作品。猫や河鹿の求愛行動を見ている。

「Kの昇天」は、1926（大正15）年「青空」に発表された梶井基次郎の

「奎吉」は、梶井基次郎の短編作品で処女作。お金にだらしない奎吉の日常

「闇の書」は、梶井基次郎の短編作品。遺作とのこと。

「闇の絵巻」は、1930（昭和5）年「詩・現実」に発表された梶井基次郎の短編作品。闇の風景を研ぎ澄まされた視覚・聴覚・嗅覚を駆使して描き出している（wikipediaより）

「ウォーレン夫人とその娘」は、1914（大正3）年「青鞜」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「従妹に」は、1914（大正3）年「青鞜」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「遺書の一部より」は、1914（大正3）年「青鞜」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「ある男の堕落」は、1923（大正12）年「女性改造」に発表された伊藤野枝の中編作品。

「内気な娘とお転婆娘」は、1925（大正14）年「改造」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「乞食の名誉」は、伊藤野枝の中編作品。結婚生活での窮屈な心境を綴る痛快な伊藤節が冴える。

「嘘言と云ふことに就いての追想」は、1915（大正4）年「青鞜」に発表された伊藤野枝の中編作品。

「サニンの態度」は、1917（大正6）年「中外」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「背負ひ切れぬ重荷」は、1918（大正7）年「婦人公論」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「出奔」は、伊藤野枝の短編作品。同作者の「わがまま」とは関連作品。

「わがまま」は、伊藤野枝の短編作品。同作者の「出奔」とは関連作品。

「嫁泥棒譚」は、1917（大正6）年「女の世界」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「惑い」は、1918（大正7）年「新日本」に発表された伊藤野枝の長編作品。貧乏暮らしの親子、母がお出かけをしたいが、遊びに金は出せないと息子ははねつける。

「白痴の母」は、1918（大正7）年「民衆の芸術」に発表された伊藤野枝の短編作品。

「老獣医」は、1909（明治42）年「中央公論」に発表された伊藤左千夫の中編作品。昔は獣医の人手不足から学校を卒業していなくても開業が認められていたそう。

「守の家」は、1912（明治45）年「アララギ」に発表された伊藤左千夫の短編作品。

「姪子」は、1909（明治42）年「アララギ」に発表された伊藤左千夫の短編作品。

「春の潮」は、1908（明治41）年「ホトトギス」に発表された伊藤左千夫の長編小説。「隣の嫁」の続編。

「浜菊」は、1908（明治41）年「ホトトギス」に発表された伊藤左千夫の中編小説。新潟県柏崎駅、主人公は暗い駅にぽつねんと一人降り立つ。旧友に会いに行ったが、旧友の態度に不満を募らせる。

「野菊の墓」は、1906（明治39）年「ホトトギス」に発表された伊藤左千夫の長編小説。15歳の少年・斎藤政夫と2歳年上の従姉・戸村民子との淡い恋を描く。

「奈々子」は、1909（明治42）年「アララギ」に発表された伊藤左千夫の短編小説。可愛い盛りの我が子を亡くした父親の気持ちを綴った作品。

「告げ人」は、1908（明治41）年「ホトヽギス」に発表された伊藤左千夫の短編小説。”告げ人”とは、誰かが亡くなった時に身内にそれを知らせる役目の人。

「古代之少女」は、1910（明治43）年「臺灣愛國婦人」に発表された伊藤左千夫の長編小説。

「紅黄録」は、伊藤左千夫の中編小説。

「白菊」は、1908（明治41）年「國民新聞」に発表された伊藤左千夫の短編作品。ひと組の男女が温泉から帰路につくが、途中美しい景色と素朴な白菊を目にし、山を出るのが嫌になる。

「大阪まで」は、1918（大正7）年「新小説」に発表された泉鏡花の短編作品。天然痘にかかった主人公が予防接種を受けたことで始まる。

「婦系図」は、1907（明治40）年「やまと新聞」に連載された泉鏡花の長編作品。新派の演劇の代表作であり、映画化も多数。

「印度更紗」は、1912（大正元）年「中央公論」に発表された泉鏡花の中編作品。鸚鵡を相手に様々な話をする女の物語。

「歌行灯」は、1910（明治43年）年泉鏡花が発表した長編小説。

「海の使者」は、1909（明治42）年「文章世界」に発表された泉鏡花の短編作品。

「尾生の信」は、1920（大正9）年「中央文学」に発表された芥川龍之介の短編小説。中国の故事を題材にしている。

「俊寛」は、1922（大正11）年「中央公論」に発表された芥川龍之介の中編小説。

「商賈聖母」は、芥川龍之介の掌小説。キリシタン一揆の悲劇を揶揄しているとも取れる作品。

「酒虫」は、1916（大正5）年「新思潮」に発表された芥川龍之介の短編小説。「酒虫」は中国の酒の精で、口伝に基づく中国の短編集「聊齋志異」小説に登場する。

「蛙」は、芥川龍之介の短編作品。森羅万象全てのものは自分達の為にある、と主張する蛙、それを食べる蛇。しかし蛇さえも蛙が増え過ぎない為に存在するのだから、全ては自分達の為にあるから神に感謝せよ、という話。

「女」は、1920（大正9）年「解放」に発表された芥川龍之介の短編作品。女の本能を雌蜘蛛に例えて表現する凄味の感じられる作品。

「桃太郎」は、1924（大正13）年「サンデー毎日」に発表された芥川龍之介の短編小説。昔ばなしの桃太郎を、芥川らしい視点から捉え直した作品となっている。

「卑怯者」は、有島武郎の短編小説。子供が牛乳配達者に寄りかかっていたところ、牛乳箱の前扉の掛け金が不意に外れて牛乳が転げ落ちた。不可抗力であったが悪戯をしたと誤解されたその子を、助けようという想いと関わりたくないという想いがせめぎ合う。

「骨」は、1923（大正12）年「泉」に発表された有島武郎の中編小説。

「カインの末裔」は、1917（大正6）年「新小説」に発表された有島武郎の長編小説。

「碁石を呑んだ八っちゃん」は、有島武郎の短編小説。幼い兄弟が碁石で遊んでいたが、弟の八ちゃんが碁石を飲んでしまったために起こる騒動。

「かたわ者」は1922（大正11）年「良婦之友」に掲載された有島武郎の短編小説。かたわ者であるが故に富を得ていた2人の物語。

「蜘蛛の糸」は、芥川龍之介のはじめての児童文学作品で、1918年に児童向け文芸雑誌「赤い鳥」に発表された。「カルマ（因果応報）」がテーマになっている。

「杜子春」は、1920（大正9）年「赤い鳥」に発表された芥川龍之介の児童向け文学作品。中国の伝奇小説「杜子春」を元に、芥川が創作・童話化したもの

「トロッコ」は、芥川龍之介の短編小説（掌編小説）。幼い少年が大人の世界を垣間見る体験を綴った物語で、一部の中学校の教科書などにも採用されている。